スティーブ

未来のミライのスティーブのレビュー・感想・評価

未来のミライ(2018年製作の映画)
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細田守監督作品。地上波。

えー、事前にそこそこの低評価を漏れ聞いていて、そうは言ってもやはり自分の目で見てみるまではあーだこーだ言わないのが真の鑑賞者たるもの、などと思っていたけれど、いざ鑑賞してみたら、「あー……これはいろいろ言いたくなるのもわかるなー……」という感想にならざるを得なかった、という。

正直、細田監督のディティールの細かい演出はこれまでと変わらず大好きで、そこだけを切り取ればなんら不満はないのだけれど、とにかく作品の肝となる設定と、そこから立ち上がるストーリーがひたすら退屈。未来から兄より大きく成長した妹がやってくる、というおもしろくなりそうな工夫はあるはずなのに、その設定が唐突かつラストまで理由も明かされず(それっぽいエクスキューズはあるものの)、おまけに断片的にちょこちょこ起こるだけで、作中で大きな機能を果たしているとは言い難い。(いや、お雛様片づけてる場合じゃねーだろ!と言いたくなるし、登場人物たちの大騒ぎにひたすら白けてしまう)。

役者のキャスティングも、他はいいとしても、くんちゃんだけは合ってない。上白石萌歌は実力あるとは思うけど、ここは本職の声優でよかったのでは。

細田監督の演出力は健在だっただけに、設定から脚本、座組みまで、その他のあらゆる要素が芯を喰わなかった印象。