ロク

15時17分、パリ行きのロクのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.0
「アメリカン・スナイパー」、「ハドソン川の奇跡」と実録作品が続いているクリント・イーストウッド監督が2015年8月にアムステルダムからパリに向かう高速列車内で起こった一人の武装テロ犯による無差別テロを偶然乗り合わせていたアメリカ人青年3人(2人は軍人)が取り押さえて事件を未然に防いだという出来事を事件の当事者である3人の素人青年を俳優として起用し実際事件に遭遇した関係者も可能な限り呼び集めて実際に事件が起こった場所で撮影するという手法で描いた実録映画。普通の兄ちゃん3人が捨て身でテロリストを取り押さえたというアンビリバボーだったら30分くらいで終わっちゃうような内容の事件が映画作品として成り立つのか甚だ疑問だったんだけど御大はボンクラ感極まりない素人の兄ちゃん達の小学生時代から事件当日までの生い立ちと事件当日の緊迫した様子を描くという斬新極まりない手法で映画化してしまったのが本作。なので、観客はサバゲ―オタクのいじめられっ子という一歩間違ったら銃乱射事件でも起こしてそうな全然知らない兄ちゃん達の小学生時代から1人は空軍、1人は洲兵、1人は大学生と進んで行く中で経験する数々の挫折やハメを外しまくるヨーロッパ旅行を延々と見せられた後、ようやく事件当日に辿り着くという摩訶不思議な映画体験が出来ます。正直、自撮り棒でインスタ映えする写真を延々と撮りまくったり遊覧ボートで知り合った姉ちゃんととご飯を食べてアムステルダムのクラブでベロベロになるまではしゃぎまくる知らない兄ちゃん達の映像をなんで金払って観なきゃいけないのか段々腹が立ってきて途中で劇場出ようかと思ったけれど何とか我慢して最後まで観ました。確かに列車内でのテロリストとの格闘は迫真の演技でそれなりの緊迫感はあったけれど予想通り30分くらいで終わっちゃって場面変わったらフランスのシラク大統領から勲章貰って「行動する勇気を今こそ持とう!」って叫んで皆で肩組んで終了!って何じゃこりゃ?しかも犯人縛ってただけのイギリス人のおっさんまで何でかしらないけれど勲章貰ってて笑ってしまったわ。あんた何にもしてないやん!
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