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ナショナル・シアター・ライヴ 2018 「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」のTOTのレビュー・感想・評価

3.8
世界一有名な端役の不条理劇。
コインの表ばかり出る非現実、細かな設定など要らぬとばかりに生かされて、記憶も飛ぶような曖昧な存在理由。
状況に巻き込まれて彼らはどこへ行くの。
名前を錯誤するほど半身のように二人でしかない二人の予め決められた最後に笑いが消え、悲しみと虚しさが去来する。
棺か船みたいな形の舞台上でライトを浴びて急くように喋り、道化のように動き回る端役の生は終盤に向け、暗く混迷を極めていく。
それでも「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」ただその事実だけじゃなかったと思わせるダニエル・ラドクリフとジョシュア・マグワイアの共鳴は、演劇と人生の可能性を示唆するよう。
背格好の似た二人のふたりぼっち感とても良かったし、ハムレット役ルーク・マリンズの妙な色も好きだった。
面白かったな。
なんか自分の人生を見るようでしんみりしちゃった。
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