爆裂BOX

モーターラッドの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

モーターラッド(2017年製作の映画)
3.0
「未体験ゾーンの映画たち2018」で上映された珍しいブラジル産のスラッシャーホラーです。
兄やその友人達とバイクでツーリングに出掛けたヒューゴは、ガレージにバイクの部品を盗みに入って見つかり殺されそうになった時に救ってくれた美女パウラと出会い、共にツーリングに誘う。楽しい時間が過ぎる中、いなくなった仲間を探すヒューゴは黒づくめのバイカー4人組に捕えられた仲間が首を切り落とされる場面を目撃してしまうというストーリーです。
本編始まって13分経過して初めて台詞が出たりと全編通してかなり台詞が少なく、人間ドラマみたいなのもあって無きが如しという感じですね。ストーリーも突如現れた殺人バイカーに襲われた主人公達が逃げ回る以上のものはないです。主人公達のキャラもはっきり描かれないし、主人公は内気で行動的でないようだけど、冒頭でガレージにバイクの部品盗みに入ったりするし、他の仲間も保護区が柵で塞がれてるのを柵崩して入ったりしてるので自業自得感あってあまり同情できない感じ。弟思いの兄貴はちょっと応援したい感じあったけど。後、パウラ役の子はショートカット似合うボーイッシュ美人でしたね。
事が起きるまでも長くて前半は若者達のツーリング風景が流されますが、そこで映されるブラジルの雄大な景色がとても美しいです。この景色にはちょっと見入ってしまいますね。ただ。夜のシーンは景色眺める事も出来なくなりますが。
全身黒づくめで一言も話さず、マチェーテや鎖持ってゆっくり淡々と殺しに来る殺人バイカーたちは、ちょっと目を離したらいなくなる亡霊のような存在感などマイケル・マイヤーズ思わせる所ありました。立ちションしていた男がふと目を向けると遠くの崖の上にバイカーたちが並んで立っている初登場シーンのカッコよさは中々印象にのこります。
殺し方はマチェーテで首チョンパしたり、バイクで追い掛けながら鎖投げつけて手に絡ませて動かせない状態で川に落として溺死させたりしますが、目を見張るようなゴア描写は無いかな。縛り付けられた女性バイカーがガソリンかけられて焼かれるシーンはゴア描写は激しくないけど結構エグイ感じは出てました。電波塔の近くで携帯に送られてきた仲間のカメラ映像見たら上空から今の自分達を映した映像があって見上げると死体が吊るされてるシーンはいい感じでした。
バイクでのチェイスシーンもそんなに迫力やスピード感感じられませんでしたね。
井戸見に行った主人公が姿消して川の近くで目を覚まして手に謎の火傷痕あったりと思わせぶりな描写も挟まれますが結局答え出る事ないですし。
反撃シーンもそこまで手に汗握るものはなかったけど、最後の廃車置き場での戦いはちょっと緊迫感ありましたし、決着の首チョンパは爽快感ありました。
ラストは意味不明でしたね。結局パウラはあっち側だったのかな?主人公が次のバイカーに?考えるだけ無駄な気はするけど。
鮮明なカラーでもモノクロでもない独特の色彩の映像は殺伐とした雰囲気にあっていたと思います。
色々残念な所あるスラッシャーですが、ブラジルの景色の美しさは一見の価値ありかな?