ゴン吉

眠狂四郎 女妖剣のゴン吉のレビュー・感想・評価

眠狂四郎 女妖剣(1964年製作の映画)
4.0
円月殺法を得意とする浪人剣士の活躍を描いた時代劇「眠狂四郎」シリーズ第四弾。 

市川雷蔵が主演、藤村志保 、毛利郁子、根岸明美、春川ますみ、久保菜穂子らがヒロインを演じ、城健三朗(若山富三郎)らが共演。
原作は柴田錬三郎の小説。 

公方家斉の娘の菊姫(毛利郁子)がアヘンに溺れていた。
そんな折、眠狂四郎(市川雷蔵)は隠れキリシタンの男から、びるぜん志摩(久保菜穂子)という神に仕える若い尼僧を助けてくれるように頼まれる。
狂四郎は「俺には関わりのないことだ」と突っぱねる。
その直後、旧知の少林寺拳法の達人(城健三朗)が、大奥に抜け荷の品を売りつけている備前屋から出てきて再開する。
二人が語り合っていると、その前を若い娘(藤村志保)が気の抜けたように歩いていく..... 

ニヒルな狂四郎が様々な剣豪と決斗したり、好色の狂四郎に妖麗な女性たちが魔物のように襲い掛かる。
11人斬りに加え、一刀流の公儀添番頭、鎖鎌の侍などを、ストロボ撮影を使った派手な演出で円月殺法が斬り裂く。
さらには公方家斉の娘・菊姫、女祈祷師、身売りの女、浜松の尼僧・びるぜん志摩らが色仕掛けで狂四郎の命を狙ってくる。
「女は哀れに見えてはいるが その本性は魔物だよ」
「お前は化け物だ 醜い化け物よりも一層醜怪な美しい化け物だ」 
美しい女性の素顔を様々な形で描いており、この時代の作品ならではの女性の色艶の描写が興味深い。
一方、本作では眠狂四郎の出生の秘密が明らかになる。
クライマックスは密貿易船での少林寺拳法の達人との因縁の対決が繰り広げられ、最大の見どころです。
「平気で斬れる 無頼の徒さ」
ラストは野良犬が走る一本道を狂四郎が歩んでいく....  

2023.2 BS12で鑑賞
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