橘

1987、ある闘いの真実の橘のレビュー・感想・評価

1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)
4.3
韓国民主化闘争、先に『タクシー運転手』で光州事件のことは知りましたが、それから7年後を描いたこちらでは更に激化していました。
実話ベース。
これほどの大バトルで国家を転覆させて民主化を勝ち取ったのなら、今でも政権への目が厳しいのも頷けます。
政治は生活に直結するから「関係ない」という態度を取らない、どの国でもこうあるのがほんとうなんだろうけど……「おかしい」と思ったら、命懸けで「おかしい!!」と声上げられるのはほんと凄い。

韓国にとっては負の歴史だと思うのだけれど、それを映画化できるというのは健全だなと思います。
恨みつらみを忘れない、という国民性は自国にも向いてるのか…しかも韓流映画、ちゃんとエンターテイメント性もあります。

一人一人だと権力は押し潰してくるけど、団結したときは強大な力になる。
ここは韓国の歴史に見習いたいところです。
こんな事ができた人々がいるのか…しかも30年くらい前に、お隣の国に。。

豪華俳優陣なのも凄かった。
ポスター写真に何故か居ないから意識してなかったソル・ギョングさんがいてびっくり。見返したら名前はしっかり載ってた。
お寺のシーン…「横!!」ととてもハラハラしました。坊主頭だと顔の整い方がよくわかります。
張部長、まさかこないだまで観てた『私の夫と結婚して』の部長&ヒヨン氏のお祖父さま、ムン・ソングンさんとは!!似てるな…と思ってたら当人でした。政治家時代もあったそうなのであの貫禄かぁ。
……全く気付かなかったけど、発端となった殺された大学生を演じてたの、ヨ・ジングさんだったんですね………こちらもポスターにお名前があった。。

やっぱりユ・ヘジンさん良いなぁ〜しょうがない叔父さんと思いきや、看守のときの鋭い表情さすがです。
一般人観客が感情移入できるキャラはなにかと、ソン・ガンホさんかユ・ヘジンさんか、ってなるなぁ。。
キム・ユンソクさんも怖くていい。圧倒的な敵役でした。
このおふたりが特に印象的でした。

エンドロールでの実際の映像に心を抉られます。
最後まで、見応えある作品でした。
こんな映画が撮れる&ちゃんと公開されるのが羨ましい。
緑のタクシー!!


追記:お気に入りレビュアーさんのレビューで、人名や日時・場所のテロップが時折挟まれてたのを思い出しました。
なんだろうこの岡本喜八スタイル(庵野秀明も踏襲)…一時停止になってタイプしてるっぽい演出だったから最初から入ってそうだなぁ。
橘