ラグナロクの足音

愛の嵐 ノーカット完全版のラグナロクの足音のレビュー・感想・評価

愛の嵐 ノーカット完全版(1994年製作の映画)
4.1
舞台は1957年のウィーン。古めかしく陰鬱な雰囲気のホテルでフロント係を務めるマックスは、実は身分を隠して潜伏する戦争犯罪人。元ナチスの親衛隊員で、強制収容所にも関わっていた人物。ところが或る日、強制収容所で彼が弄んだ少女ルチアがホテルの客として現れる。彼女ははかつて少女の頃、ナチスの強制収容所でマックスのペットであり、ナチス崩壊後に解放され、今の夫と出会い、平穏な日々を過ごしていたのだが、なんの運命の悪戯か、マックスと13年ぶりに再会する。そしてかつてペットとして培われた本能が蘇り、ひたすら食欲と性欲の欲求を満たそうとする。飼い主も、それに応える、かわいがる。二人の心の根底にあるのは孤独感。やがて今が戦後なのか戦時中なのかの境界も曖昧になっていく。マックスと同じSSの残党たちは、彼らの顔を知るルチアを殺すべくマックスに引き渡しを求めるが、彼は断固拒否。元SS隊員たちに監視される中で、食料も尽きた2人は、この世界から逃げ出そうするが橋の上で仲間たちに射殺される。死に顔が見えないのがいいね。
ラグナロクの足音

ラグナロクの足音