クレミ

愛の嵐 ノーカット完全版のクレミのレビュー・感想・評価

愛の嵐 ノーカット完全版(1994年製作の映画)
4.2
いやめちゃくちゃ好きです。シャーロットランプリングの危ない美しさたるや…

ナチスの支配下において、倒錯的性愛の対象となることで生を手に入れたルチア。目の前で生と死が繰り広げられる極限の状況下で生と性が固く結びついた時から、彼女の「生」の形が歪んでしまったのかもしれない。

また、マックスとルチアの倒錯的な関係性を、さも自分たちは「正常」かのように追及する元親衛隊のメンバー達。生き延びるためにそうせざるを得なかったルチアの姿と、歪ながらも愛し合う2人の間を引き裂くよう追い詰める親衛隊残党の姿から、かつてのナチの卑劣さが自ずと浮かび上がってくるのも面白い。

息を呑むような美しさとおぞましさが交錯するような作品。半裸にサスペンダー、ショートカットに軍帽のシャーロットランプリングにヤラれる1本。
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