えりーぜ

オンネリとアンネリのおうちのえりーぜのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

おもちゃ箱をひっくり返したみたいに、色と笑い声があふれ出す。
バラ色のほっぺたに、とろける砂糖菓子。糸ひく蜂蜜にミルクチョコレート。
嘘みたいな、夢みたいなおうちでおとぎ話のように暮らす少女。そこは秘密の隠れ家で、幸せのかなう場所。

甘ったるい世界観にとっぷり浸ってみられる映画。
夢と善意のおうちの周辺には、だけど悲しみや苦しみが潜んでいて、無邪気を振りまくオンネリとアンネリの陰で疎外される人もいる。
それでもアイスクリーム屋のお兄さんは2人からお金をだまし取らないし、救いの手は金銭ではなくその後の生活の糧となる仕事として与えられる。罪は憎まれても犯した人間は恨まれず、心根の優しさが報われる。
どこまでもおとぎ話かもしれないけれど、人が人を救う時に必要な善意にあふれた素敵な映画でした。