「息もできない」以来のキム・コッピでしたが、やはり唯一無二の、この人にしか出せない空気を色濃く漂わせている。
目を合わせた瞬間。目を逸らした瞬間。この人が目線を変えただけで意識を全て持っていかれるような感覚がある。
演技力というより、持って生まれた何かのような気がする。（実際、演技が上手いのか下手なのかよくわからない）
とにかくこの人が出てくると目が離せなくなるのです。
映画自体は、「激しさ」とか「奇矯さ」の表現が「大声を出す」というアクションにほぼ収斂しているように感じられ、あまり好きなタイプの映画ではありませんでした。
たぶん演劇でやれば問題のないやり方だと思うのだけど、それを映画でやっちゃうと説得力が無くなるという、演劇人が作った映画でよく感じるものをこの映画にも感じて。
演劇的な土台の上に映画を作るのって難しい、というか、そもそも根本から違う表現なのかもとか、いろいろ考えてしまいます。
