「襲ってくる敵から世界を守る」受け身の話ではなく、「女達を支配し搾取するオヤジを探し出して殺すために出かけて行く」という自発的な話なのがいい。
「全世界の女性を抑圧から解放する」というテーマに相応しいストーリー。
コメディとシリアスとアクション（MCU史上一番の切れ味）のバランスがとても良い。
それでいて、MCUで表現出来るギリギリのラインの生々しさで女性蔑視／抑圧の胸糞悪さもちゃんと入れ込んでいたりもする。
この作品の爽やかさと陰惨さを一人で体現しているのがフローレンス・ピューで、この人の魅力がかなり飛び抜けている。
演技の技量も凄いんだと思うけど、それ以上に人としての魅力が並外れている気がする。
全盛期のミフネと勝新を足して2で割らないと言ったら言い過ぎか。でもそれくらいカッコよくて魅力的なのです。
主役を食ってしまいかねないほど魅力的なピューを起用して、更には自分のキャラクターの古い部分を徹底的に茶化させてしまう"プロデューサー"ヨハンソンもカッコいいです。
擬似家族ものとしても本当に最高でした。
全スタッフキャストにお礼を言いたくなるようないい映画だった。
MCUで一番好きかもしれない。
