Kaji

豚の王のKajiのレビュー・感想・評価

豚の王(2011年製作の映画)
3.3
もうヒット作を連発しているヨンサンホ監督のアニメ作品。
「ソウルステーション:パンデミック」でも「フェイク 我は神なり」でも、作画や動きのぎこちなさに気が散るけど、脚本はさすがとしか言いようがない。
 実写映画用の絵コンテをアニメにしたような、動きよりもカット割にセンスを感じる出来で、実写映画に進路をとったのも納得。

スクールヒエラルキーと社会的階級格差を重ね合わせて、暴力の方向や衝動の醸成を描いている今作も、陰鬱としてるけど太い作風が生きていると思う。


声優もヤンイクチュンとオジョンセと、演技派俳優を起用。
大人のジョンソクをヤンイクチュン、子供時代をキムコッピと「息もできない」(監督もヤンイクチュン)の主演二人がリレーしている。

最新作「地獄が呼んでいる」では、アニメ作品の個性が色濃いんだなと再確認した。

実写映画「新感染」シリーズではジャンルに寄せながら人間性を描いたすごい仕上がりだったけど、まず主人公たちの希望が絶たれているところから始まるのは共通点かもしれない。
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