ゴンフィ

万引き家族のゴンフィのネタバレレビュー・内容・結末

万引き家族(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

今日の地上波での放送で3回目の視聴。
レビューがしたくなって改めて評価。

血の繋がりがないと家族と呼べないのか、
一緒に過ごした期間が長くないと絆が生まれないのか。
家族とは、そして絆とは。

本作では「家族」という大きなテーマにスポットを当てて、繊細且つ大胆に表現している。
この表現力が、本作が評価されているポイントだろう。

演者の演技の自然さ、これに関しては是枝監督の演者に対する姿勢のようなものが大きく作用していると思う。
子役に対して脚本を渡さず、敢えて口頭で説明したセリフを子役に話させるこだわりや、
演者の「役」としての素を出させるため、
会話中、相手役になる役者にのみ見える形でホワイトボードに台詞を並べ、主演の演者には即興で返しの台詞を吐かせる。
そうした是枝監督のこだわりがあってこそ、私含め全世界が衝撃を受けた【安藤さくらの取調べシーン】が生まれたのだ。

6人が海に行くシーンは、家族の一体感や、絆が特に表れる、儚くも愛おしいシーンだが、
個人的には、家族全員が縁側で見えない花火を見る、そんな日常的なシーンに家族の美しさを感じた。
お金や安全、利害損得、そんな背景の中に、
家族という当たり前で特別な愛のカタチに枯渇した各々の深い根の部分での繋がりが視える。

家族の在り方は十人十色で、正解などないものだが、これもまた家族としての一つの在り方であり、愛のカタチであるとそう思えた。

本作に触れた事で、改めて家族について感じ考える機会に巡り会えたことに感謝をしたい。