このレビューはネタバレを含みます
「家族」として過ごした日常はゆったりとしたテンポで描かれているのに対し、尋問を受け「家族」の真実が明らかになるシーンでは淡々と進むスピード感があり、ツギハギだらけだった関係の危うさや脆さが際立っているように感じた。
ゆりが「凛」として生きるのを選び人生を選択したように、祥太も凛の代わりに捕まることで人生を選択したわけで、ふたりが大人になったとき誰を「お父さん」「お母さん」と呼ぶんだろう、なんて思った。
気取っていない、ありのままの生活を切り取ったような演技が絶妙で、引き込まれた分見終わったあとには倦怠感と救われないやるせなさが残った。