ジュニャ

万引き家族のジュニャのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.6
入院中の時間を使って鑑賞。
ここ最近の邦画って、とりあえず「なんか意図がありそう」みたいな雰囲気だけ出しておいて、
結果的にそれを内輪で褒め合ってるみたいな、気持ち悪い馴れ合いの空気があって好きになれない作品も多かったんですよね。

ただ、邦画の良さってその「空気感」にあることもすごく理解できるんです。
その良さが存分に味わえるのはこの映画じゃないかなって思います。

誰しもが自分の中に「正しい論理と感情」を持っていて、でも、それが必ずしも世間一般で言うところの「正解」だったり「常識」と一致しないこともどこかで理解できるようになっていく。
どちらも大事にしなきゃいけないもんだと思うんですが、この映画はそれぞれの登場人物がみんなこの「自分の世界」と「世間の正しさ」みたいなものの中で葛藤することになるんですよね。

その描き方が他の作品に比べて卓越している作品だと思いましたし、日本の文化的背景を理解している自分だからこそこの「立ち行かなさ」の妙味を充分に味わえているのではないか…と率直に感じます。
ジュニャ

ジュニャ