ジュニャ

時計じかけのオレンジのジュニャのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
4.9
全編を通して色が美しい。
今で言うところのレトロモダン的な、古さが逆に新しさを感じさせる近未来の描き方がツボ。

世界観の設定も非常に好み。
唯一まともな登場人物と言える牧師が主人公含めた皆に無視されるのだが、
それが『規範を内面化できる人間は僅かで、その一方で人の「悪い」部分は野放図にしていても、強制的に「治す」こともできない』というある意味等身大の人の姿を強く引き立てることになる。

主人公たちの放つ言葉の意味はロシア語の覚えが多少あると、初見でも直感的に理解できる。
アプローチは異なるものの「1984年」の世界観に近く、何度でも見返したい怪作。
ジュニャ

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