愛情過多
目の前に映っているのは「貧困」の果てではない。「怠惰」の上に成り立ってしまった生活だ。
だらしなく弛んだ身体に気力のない労働、煩雑な自宅。こんなに無駄であふれた生活なのに、目に映る画には無駄がない。
余計な回想ではなく表情と言葉を用いて現在と過去をも伝える。
極端にも見える数々の判断は生きる為の諦めと矛先のない愛情の行く末なんだと思う。
俳優陣の圧倒的な力に脳みそをねじ伏せられた感覚でした。余韻がひどい。
浅黒く焼けた頼り甲斐のない身体つきのリリーさんは父とリンクした。私の父も逃げたい時に限って笑ってた、下手くそに。
気づいたら涙があふれ出ていて、感情が揺さぶられていた。
静かな故の攻撃力。
文字に書き起こしたくなる作品に向かい合ったのは久しぶりで、衝動的にアプリを開きました。
観てよかったです。