千原安二郎アトム

万引き家族の千原安二郎アトムのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.4
最高でした。ザ邦画的ヒューマンドラマ。役者に穴が見つかりませんでした。

芸術4.25 音楽4.0 脚本4.5 演技4.75 深度4.5

 導入シーンに若干のパンチの弱さみたいなのを感じましたが、入りやすくて、全く素晴らしかったし、何より「これはハッピーではないので覚悟しておいてください」と警告しているかの様な、何とも切ない感じが良かったです。

 社会問題の塊みたいな映画で、色々考えさせられるのですが、観ながら、この愛すべき"6人組の家族"とは生きている世界が違いすぎて、決して解り合えないんだと思わされ、ダウンタウンの「チキンライス」を聴くときのあのもどかしさ、ならば「この人よりは幸せだ」と思って帰れと言うのか、或いは「ニュース一つ一つ、近所の事件一つ一つにアガペーを求めろ」とリアリズムをtweetすれば良いのかと、まあ兎に角ヒトシキリに切ない訳です。

 "ジュリ"はラストシーンで何を見たのか、もしかするとあの目はエンドロールの先の僕を見ていたのかもしれない、そう思いながら、7畳程の部屋で3万円のスマホからレビューを書いている僕です、嫌いじゃないですけどね。