「教えられるものがありませんから」
建ち並ぶマンションの波に飲み込まれそうな、小さな平屋に暮らす5人家族。年金と日雇いとアルバイトから得る少ない現金と、万引きで食いつないでいる彼女たちは、冬の寒い日にある女の子を迎え入れた。
是枝監督作品。これまでの作品も全部観てみないとわからないことが多いけど、家族というフレームの中で心のすきま風を描く人だなーという印象です。一言で言い表せない社会の綻びを彼自身がずっと見てるのでしょうし、映画を通してぼくたちもそれを感じる。
この映画も同様に、社会の中でぐるぐるぐるぐると小さく渦巻く、問題因子みたいなものが描かれていました。
画づくりから自然すぎる演技までほんとに見事で、実質的な貧しさも、心の貧しさも描かれていて、本当に素晴らしかった。
疑うことを知らないことや純粋に必要とされたいと思うこと、深いところで繋がろうと思うこと。こういう心の貧しさは誰にだってあって、人間的な欠陥から来るものではない。
もしもこの映画を観て、いらないなと思う部分があったとしたら、それは「自分が普段見ようとしていないところ」じゃないかな、とも思いました。
まだまとまってない部分が強いので、一旦メモ的に残しておきます。
また何か思い出したら追記しよう。