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万引き家族のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
3.5
是枝裕和監督によるカンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作。
それぞれに問題を抱えた人たち6人からなる、血の繋がっていない"偽装"家族を通して、育児放棄と虐待の問題、親と子の繋がりとは何かを問う。
音楽は細野晴臣。
英題:Shoplifters (2018)

都内のどこか。ある冬の日。
父は息子とスーパーで万引きをした帰り、近所の団地の1階にある外廊下で、幼い女の子が震えているのを見つけ、見かねて家に連れて帰る。
そのボロ家には、母、妻、妻の妹もいて、女の子も家族として暮らすことに。
次第に、6人それぞれの過去や6人の中に血縁関係のある者が誰もいないことが明らかになる。
やがて、あることをきっかけに、この偽装家族は存続できなくなるのだが…。

~登場人物①:偽装家族~
・父、柴田治(リリー・フランキー):東京の下町に暮らす日雇い労働者。
・妻、信代(安藤サクラ):クリーニング工場のパート。
・信代の妹、亜紀(松岡茉優):性風俗店に勤務。源氏名は「さやか」
・息子、祥太(城桧吏):学校に通っていない。治と組んで万引きをしている。
・娘、ゆり/りん/北条じゅり( 佐々木みゆ):治が柴田家に連れて帰ってきた少女。両親から児童虐待を受けている。
・母、初枝(樹木希林):年金受給者。作中で、突然亡くなってしまう。

~登場人物②:その他~
・4番さん(池松壮亮):亜紀の性風俗店の常連客。
・亜紀の本当の父母(緒形直人、森口瑤子):初枝とも関係がある。
・亜紀の妹(蒔田彩珠):高二
・ゆりの父母(山田裕貴、片山萌美):娘に対しDV、ネグレクト。
・信代のパート先での同僚(松岡依都美)
・よろずや「やまとや」店主(柄本明)

「捨てたんじゃない。拾ったんです。誰かが捨てたものを拾ったんです。捨てた人は他にいるんじゃないですか」

「もう、分かったでしょ。ウチらじゃダメなんだよ。この子には」

安藤サクラがとても情感のある演技をみせる(彼女が涙をみせるシーンをケイト・ブランシェットが"真似したい"'と言っていましたね)。
この夫婦は"本当の親"になりたかったのだろう。
一方、子どもは"本当の親(家庭)"を求めている。
撮影中につけられていたという映画タイトル「声に出して呼んで」はラストシーンに繋がっていく…。
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