素晴らしい。いくつもの社会問題を炙り出し、6人の心情を精緻に描写している。アタマから伏線が散りばめられている。情報があまり出てこず関係性が分かりにくかったり、あえて問題を解決せずに視聴者に答えを委ねたりという点では不親切な映画と言われるのも無理はない気がするが、私はこの手の考えさせられる映画は大好きなので大満足だった。
それぞれが問題を抱え微妙なバランスでなんとか成立している家族。正統な家族といえど、そこに愛はあるのか？
下町の鬱屈した雰囲気、夏の蒸し暑さをうまく映像にしているなと感心した。実力派の演者の演技がそれを強化している。特に安藤サクラは別格。揺れ動く気持ちをここまで表現できるのか。強さ、弱さ、愛情、殺意、何でもござれの女優。あとはなんといっても"エロ"い。「日常のエロス」これは見ないと分からないだろう笑
あと3回くらい見ないとこの映画の良さをしっかり味わえない気がする。
↓このサイトの伏線説明、ネタバレは分かりやすいです。
http://blog.imalive7799.com/entry/Manbiki-Kazoku-201806
