ダイヤモンド

万引き家族のダイヤモンドのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
3.5
「自分で選んだ方が強いんじゃない...絆」
 
ちょっと照れくさそうに言う信代。それに笑顔で答える初枝。二人の優しい眼差しの先には小学生(くらい)の祥太と幼な児、りん。実はみな血縁にない。
更に信代の夫である治、若い娘である亜紀も血の繋がりはない。
そう、一軒の家に住む人たちはお金という打算だけで繋がっている(一部血縁の者もいるけど)。
ところが不思議にも、日々繰り広げられる光景は”家族”そのもの。笑ったり、腹を立てたりしながらも、寝食を共にする一家そのもの。

果たして、”家族”というものに血縁は必須なのだろうか_。

今の世、人間関係が希薄になる中、血縁というものも鎹になり得ないのでは。そして、この一家のような絆も”運命共同体”としてアリではないかと。
ただ、やはり幸福そうに見えても脆さを併せ持っている辺り、どちらにしても昔とは異なる昨今の家族の姿なのかも。

ラストのシーン、リンだけが本当の家族の元に帰るのだけど、孤独で淋しそう。つまりこの映画は、”そういうこと”。