Ash国立ホラー大学院卒論執筆

劇場版 幼女戦記のAsh国立ホラー大学院卒論執筆のレビュー・感想・評価

劇場版 幼女戦記(2019年製作の映画)
4.1
【戦争映画好きは絶対見ろ】

元エリート会社員のおっさんが20世紀初頭のドイツに幼女として転生し、大戦の顛末を知る知識的優位と生前に培った圧倒的合理性で戦場で大活躍する話

幼女×魔法×異世界だとふにゃふにゃファンタジーになりがちだけど、今作は超絶硬派でバリバリの戦記物。その中でもブラックジョークやロリコンもあるので、アニメっぽさも多少は…ね

ストーリーはテレビ版以降の話で、原作では大体4巻あたり。3巻までしか読んでなかった(文章が意味不明&難解なので断念)のはある意味正解だったかな

後半の爆音のすさまじさ噂通りだった。敢えて平日の昼間にサブウーファーMAXで聞いたかいがあったわ。魔法の音と火薬の音が相まって、サブウーファーからの排気と振動が半端ねえっす…。こういうの待ってたんだ

ラストではターニャの忠史を知る上での感慨深い教えが聞ける。アニメ版ではあまりなかったシーンだし、単なる戦術アニメではなく映画的な戦争ものとしての地位も確立できたと思う



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↓ターニャ閣下の演説が相変わらずのインパクトだったのでここに一筆


「正直、戦争なんて大嫌いだ。人間同士の殺し合いなど、人類史上最悪の営みだとすら思う。資源と人的資本の浪費に他ならない。だが、相手はコミーだ。個人の自由を侵害する全体主義者だ。コミーと共には天を仰げない。安全な後方で順風満帆な人生を送るためにも、銃を取らねばなるまい」

「私はなによりも自由を愛する。自由を獲得し、自由を擁護し、自由を守り抜く。断じて引くわけにはいかない。戦友諸君、自由の為の闘争だ。怯むことなど許されない。コミー共にはお帰りいただくぞ。必ずや勝利を!叱らずんば死を!我らこそが祖国の門番だ!」

「その戦いの先には一体何があるのでしょう。戦争とて政治です。外交手段のひとつです。よって、戦いを適切に終わらせることが出来なければ、その先に待つのは次なる戦争の為の単なる準備期間。新たな愚行の始まりかもしれません。あるいは全てを破壊の炎で焼き尽くし、後に残るは焦土と化した大地のみやも知れません」