#17 3Dで展開される神話みたいなパートと2Dでの現代パート。不思議な一本。

イランの映画は脚本が凝ってる

面白いか？と聞かれると即答しかねるけど、とても意義深い作品。

作品って、その場で快感を感じられるものと後からじわっとくるものがあるとおもうんですけど、完全に後者の作品。
まあ前者も二種類あって、快感がその場かぎりのものと一生続くものがありますけど。

さて。
見ている間に比較として思い出していたのがKUBO。
KUBOは家族の話というよりも、物を語るということについての映画でした。家族をはじめとする優しい死者の語り方の話だった。

こちらも物を語ることについての作品です。KUBOみたいに「家族愛」でエンタメとして昇華してない分(要するにKUBOは物を語ることについての作品ではなく、ただの家族愛の話として見ることも可能だった。大人から子供まで広く視野にいれた優れた作品だと思います)、ど直球。ただし、こちらは厳しい現実を生きるための語りだと感じました。

作品が作られた国を鑑みてもとても面白い。


作品自体の話としては序盤～中盤はなんというか、プロットが下手な人なの？みたいな感じがしてしまうのがもったいない。
ただね、見終わってから考えてたんですけど、見据えてるところが高すぎるんですよね。こうせざるをえないモノを描こうとしている気がする。

絵は後半にいくにつれ2D部分がジブリ？ってなります。今チラシを見ると、「イランの宮崎駿」だそうで。納得。


一つはっきり言える欠点としては、せりふも含めた音かなー。もうちょっと改善できると思うし、そこがよくなるだけで、グッと見やすくなる気が。

内容も手法も、なんだか無視できない意欲作。