リリー

彼が愛したケーキ職人のリリーのレビュー・感想・評価

彼が愛したケーキ職人(2017年製作の映画)
3.8
静かに心にしみる良い映画でした。またイスラエルのユダヤ人の人々の生活を垣間見られて得した気がします。人々が、ユダヤ教の戒律を大切に守っていることがわかります。非ユダヤ人であるドイツ人トーマスが店のオーブンを使ってしまって騒ぎになる様子には少し驚きました。
次々と現れるドイツのケーキ(チョコレートケーキ)やクッキーがとても美味しそうで甘そうなイメージとは裏腹に、三角関係の恋愛がとても苦くて残酷です。人のことを強く想う気持ちは、時には他の人を激しく傷つけてしまうのですね。
無表情なトーマスの心の内がはっきりわからないので観る人の想像にまかせる演出がかえって良いと思います。特に最後のシーンでは、トーマスはこれからどう生きていくのか、彼の恋人の奥さんのアナトはどう決断するのか、想像が膨らみます。でも、どう決断しても2人の心の傷は癒えないでしょう!
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