CHEBUNBUN

天才作家の妻 -40年目の真実-のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

2.5
【ナサニエルの気持ち悪さに注目!】
本作は、正直凡庸なヒューマンドラマであった。人格者だと世間から思われている男が、実はクズ野郎だということを、ノーベル賞という権威の権化に象徴させ、妻の目線からそこのクズさに対する愛を描いていく中々面白そうな題材ではあるものの、正直退屈でした。というのも、本作に物語的ツイストがないのはもちろん、町山智浩や映画.comのあらすじを始め、妻の正体を語ってしまっているメディアがあまりに多すぎるのも問題です。恐らく、この作品はその事実を伏せて観ないと面白くないタイプの作品と言える。

そして、その事実を知ってしまった人が唯一楽しめるところは、クリスチャン・スレイター演じるハゲタカライター・ナサニエルのキモさにあります。ナサニエルの爬虫類的ギロギロした表情、語り口の厭らしさはたまったもんじゃありません。飛行機で、キャッスルマン夫妻の席にナサニエルがこんにちはとやってきて厚かましく話しかけてくる。非常に鬱陶しい。しかも、夫が「あっち行きやがれ」と追い払うと、彼は別の乗客に絡み始める厚かましさ。彼はフリーランスなのだろうか?生活に必死が故のウザさが滲み出ています。そんな彼をカメラは全力で捉える。というよりも、新宿駅でカメラによく映り込もうとするサイコパス・ピンク帽子の女さながら、彼の方からカメラに映り込もうとするのだ。

「俺だよ!ナサニエルだよ!」

とお前の場所じゃないのに、存在感を出そうとする気持ち悪さが堪らないです。

気持ち悪い人をみたいなという覗き見根性溢れる方は是非挑戦してみてください。

ナサニエル、キモにえる!!
CHEBUNBUN

CHEBUNBUN