きょんくん

天才作家の妻 -40年目の真実-のきょんくんのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

作家とは全くもって安らぎとは無縁なのかな?

満たされない心が傑作を生む。
むしろ幸せであったなら、生まれる事のなかった作品たち。
そのマグマのように内側から自分を責めたて追い立てる感情を作品に込めてきた妻。
浮気する旦那への煩悶を糧に
作家である旦那のかわりにずっと執筆を続けた妻。

旦那は旦那で引け目から家事を請け負い、不安から浮気にはしる。

そしてクライマックスで
離婚を迫る妻に
何故今、離婚するというのか?
と尋ねるのだ。
いつ離婚されてもおかしくなかった。
むしろその方が楽だったのかもしれない。
でもここまできて??
今??

それに対する妻の答え
「あなたを愛しているから」が
この映画のオチなのか?

だがそれなら夫が死ぬというエンドではなく、生きていてもいい筈だ。

だとしたら…

白いページを手のひらでそっと撫でるあのエンディングは…

泥にまみれて生きるのか。
隠れたまま、生きるのか。

読まれなければ意味がないと言われ
夫名義でも読まれる事を選択したのであれば
泥にまみれるのかなあ…

主演女優賞逃したけれど
彼女の心の動きは目が雄弁に物語っていた。

それにしても長年連れ添った夫婦ってやっぱりもう身内で家族で自分の一部みたいなものなんですね。

なんかそんな風に思えました。
きょんくん

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