Hoshi

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのHoshiのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

内容を知らずに見始めて、ブラピとディカプリオだからこれからハリウッドで二人がぶいぶい言わせていくハリウッド黎明期のサクセスストーリーかと思いきや、めちゃ斜陽な時代が描かれていた…

あとタバコ吸い過ぎじゃね?って思うのはやっぱり時代だよね。風立ちぬでもすごい気になったけど、当時はそういうことだったのよね、きっと。
でもタバコ吸ったり酒飲んだり車運転したりアンテナ直したり、いちいちディカプリオとブラピが絵になるからもうすごい。シルエットの切り絵にして飾りたい。

どこに行き着くのかわからないストーリーを追いながら、過去の栄光を胸に持ちつつも役者としてのプライドを捨てず演技に誠実で、生き抜く道を探すダルトン、良くも悪くも全然ブレないクリフ。思っていた以上に群像劇っぽかった。シャロンとかもその当時のぽっとでの女優の描写で批判的に描かれているのかと思いきや、全然そんなことなくて、勝手に馬鹿にしてどうもすみませんでしたと心で訂正しました(笑)

ヒッピーがすごく危うい存在に描かれていて、見終わってからググった。どこの国も若者は社会を変える力がある。いい方にも悪い方にも。日本のオタクとかも、社会に対してなんらかの声を発信する若者が生み出した日本なりのコミュニティなんだろうな、とか無理矢理応用させて考えていた。

あとは、アメリカのセレブは慈善事業とかすごく率先してやっていて社会的責任を意識している人が多いように感じていたのだけど、嫌な見方すれば、そういうことしていないといつ自分の身に理不尽な怒りの矛先が向くのか分からない世界に身を置いてるのもひとつあるんじゃないかな、とか思った…憎しみをぶつける相手を短絡的に探せば、一見金持ってぶいぶい言わせてるセレブに目が行くよね。彼らがどんな生まれや苦労や努力を背景にその成功を手に入れてきたのかとか考える余裕あったらそんなことしないもんね。殺人を助長する映像を作ったやつらに罰を下すって、視聴者のあんたらが望むからじゃんそこは棚上げかい、とかね、不毛なことを考えちゃったりして。最後のヒッピーはかなり幼稚で愚かに見えたので、監督のあざけりが透けて見えた気がした。
クリフもうやめてあげて!!ってくらい報復してたけど、ある意味実話で叶わなかったことをここで実現させていたのかもしれないね。犬は怖いわ。。訓練させてたクリフもすごいわ。。

人間て、やっぱり善と悪を両方持っていて、憎らしさと愛おしさを両方持っていて、変だけど辞められない生き物だなって思った。

そろそろめっちゃピュアな映画観たい(笑)
Hoshi

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