歴史に残る悲劇的な事件を、主人公の2人が明るく照らす素晴らしい映画!
まず、リック•ダルトンとクリフ•ブースが互いにリスペクトしつつそれぞれの悩みに真摯に向き合う姿が、まさに親友という言葉にふさわしく、そんな2人がめちゃカッコいい!
"You're a good friend Cliff." "I try"
この台詞は、彼らの友情の深さが窺えるものの一つで、今作で最も印象的なシーンの一つとなった。俳優としてのプライドを持つリックと自分らしさを見失わないクリフ、こんなにクールな2人を表現できるのはレオ様とブラピしかいない!
また、自分の出演した映画を鑑賞するシャロンと、うまく演技ができないリックが対象的に描かれていて、俳優としてのピークやキャリアがいかに大事かという、魅力的で残酷な”ハリウッドの明暗”が心に響いた。そんな落ち目のリックにとっての救済こそ、クリフであり、あの少女に言われた言葉であるように感じ見ていて涙が込み上げてきた。
ラスト以後のリックとクリフを考えると、彼らの行った功績が俳優として、またスタントマンとしての明るい未来を照らしているように思える。
“ハリウッドの明暗”という観点で考えると、これまで消費されてきたコンテンツや映画も暗闇といえるのではないだろうか。今作で登場したマカロニウエスタンや、シリーズものとして何作も製作されて打ち切りになった映画がこれまでいくつもあった。以上のような、映画をまるで商品として扱う闇ともいえる面を、今作で批判しているようにも感じた。そして、数多くの犯罪により、映画を始めとする表現の自由を抑えつけられてきた。このようなシャロン•テート事件を始めとする一連の悲劇的な事件への怒りをタランティーノ監督は、クリフ•ブースという存在で観客に訴えたのかもしれない。
その他にも、現在では、ハリウッド映画といえばCGや特殊効果を使った映画が多くあり、常にリメイク作品が絶えない。現在の映画が、制作会社の商品として扱われている根拠の一つといえるのではないだろうか。
現在では、映画館や上映の規制も昔に比べると増えて、本来の映画の良さが失われつつあるのかもしれない。映画牧場や昔ながらの映画文化など…時代に取り残されていった存在たちにこそ、それぞれの素晴らしさがあったという哀愁感にも近い寂しさが今作では伝わってきた。ブルース•リーやスティーブ•マックイーンなど映画スターと呼ばれる、彼らが生きた時代こそ”古き良き時代”なのだろう。
そんな観点からも、ラストはリックとクリフの友情がハリウッドに奇跡を起こし、より明るい映画業界が誕生したことを垣間見えるハッピーエンドであると感じた。
ハリウッドの明暗と古き良き時代の素晴らしさが存分に味わえ、リックとクリフの魅力に心満たされる映画だった!!