又野克明

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドの又野克明のネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

僕はレビューを当たり障りのないように書くのも嫌ですし、また中途半端に書くことも嫌いです。本当は『ユリイカ』を買って、組まれている『ワンス・アポン』批評を読んで、じっくり考えてから書こうと思いましたが、やっぱり「それをしてどうなる?」と思いまして、考え直して買うのをやめました。僕は僕にできることしかできないのです。やはり、観賞した直後に見た感想を正直に書くのが、僕らしいと思いました。

タランティーノと言うのはゴダールなんですかね。いや、その二人は比べられない。とすると、岩井俊二?にも似ていない気がします。もしかして、高橋源一郎の小説の映画版?でもないような気がします。

この映画はタランティーノ作品の中でも、まだ会話には意味があると思います。『パルプ・フィクション』や『デスプルーフ』などは会話の意味さえ読み取れませんでした。今回の作品はまだ会話には意味があって、しかしそれが物語全体のイメージに一つに繋がると言うわけではありません。

ところがこの物語、深いなぁと思わせるシーンもあって、あのマンソン・ファミリーの不気味な空恐ろしいジジイ。ブラッド・ピットがあのジジイの部屋まで入っていって、自分の名前を何度も言うのだけど、ジジイの方が「そんな名前はしらない」などと言うシーン。あれ、ブラッド・ピットは本当に昔に仲間だったのか。強烈に勇気のあるシーンで印象的です。なにか映画の奥深いものがあるように感じられました。

他の方のレビューでもありましたが、映画館で見るなら、やはりシャロン・テート事件のことは下調べしておいた方がよろしいかと思います。自分の経験からそう感じました。どちらかと言うと、どんな映画も、下調べぐらいはしておいた方がよいと、その方が安心して見れることが分かりました。

結論的にこの作品はクリント・イーストウッド監督の『15時17分、パリ行き』を見ているような感覚には包まれるのかなぁという感想をもちました。以上です。
又野克明

又野克明