◆あらすじ◆
第二次大戦中、ドイツの首都ベルリンからほとんどのユダヤ人が収容所に送られる中でベルリンに潜伏し続けたユダヤ人たちがいた。彼らは極限状態の中でゲシュタポや密告者の目をかいくぐりながら、日々の住居や食糧を得るために行動し続けた。
◆感想◆
1943年のナチスのベルリンからユダヤ人を一掃したとの宣言から終戦に至るまでベルリンに潜伏し続けたユダヤ人たちの姿を実際の生存者の証言を挟みながら描いた作品となっており、生存者の証言がその時々の心情を偽ることなく述べていたため、これ以上ないリアリティを感じました。
実際の生存者4人のそれぞれの行動を中心にドラマが展開され、それぞれが生き残るために必死だったことがしっかり伝わってくるものになっているとともに、それぞれが違う手段で生き残っている点がドラマとして興味を惹きました。それでいて単純に「苦しかった」「辛かった」だけでなく、その時々で喜怒哀楽の変化が語られていて暗いだけの作品になっていなかったのも観やすくて良かった。特に身分証を偽造する職人が幾度となく偽造した身分証を身内に燃やされる失敗をしていて、それを可笑しそうに話す生存者のインタビューもリアリティがあって面白かった。
また、潜伏したユダヤ人たちに協力するドイツ人もいたことが分かって、全てのドイツ人がナチスに染まっていなかったことに安堵しました。ゲシュタポに見つかれば処罰を受ける恐怖の中でも自分の公平さや信念に従ったことに尊敬せざるを得ません。
ドラマとドキュメンタリーが融合したような作品となっていて、今まで知らなかったユダヤの人々の姿を知ることができて良かったと思います。
鑑賞日:2025年2月24日
鑑賞方法:Amazon Prime Video