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グッバイ、リチャード!のkimami1030のレビュー・感想・評価

グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)
3.8
ジョニー・デップにしては珍しく?一般のおじを演じている。ジョニー・デップも普通のおじさんになりえるのだな、と。酒乱だが、すこぶるイケている。特に髪型とスーツの着こなしが素晴らしい。もう一度強調しておくと、髪型はとりわけ素晴らしく、人の見た目において髪がいかに重要かをこの映画が教えてくれた、とすら思う。

筋書きとしては「突然余命宣告された男が残りの人生を後悔なく生きるために〜」というまあありふれたものではあるが、かといって全く凡庸な映画、という訳でもない。
凡庸といえば、ジョニー・デップ演じる主人公(リチャード)の大学教授が生徒たちに言い放つ
「凡庸さに屈するな」
というセリフも良い。
何かに妥協する必要なんてない、高尚であれ、という勇気をもらえる。

そしてピーターというこれまた大学教授の親友がめちゃくちゃ良いアクセントになっている。リチャードの死を、本人以上に悲しんでいる。こんなおじさん同士の友情、いいよな〜。リチャードは結婚運は悪かったかもしれないけど、こんなに素敵な友達を持てたことは本当に幸せなことだと思う。

最後結婚についても何となく良い風にまとめられてたけど、結論ヴェロニカはリチャードの結婚相手そしてオリヴィアの母親としては不適であったことは間違いない。笑
ただオリヴィアの「どうしてパパとママは離婚しないのか」という質問に対しての
「年をとると、何かを誰かのせいしたくなるものだからさ、それを押し付ける相手が必要なんだ」というのはある種秀逸な回答だった。「惰性です」の一言では済まされない、れっきとした「敢えて離婚しないでいる理由」がそこには存在する。

それにしてもサバティカル(研究休暇)という仕組み、いいな〜
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