このレビューはネタバレを含みます
見ていてつらくて死ぬ系かと思っていたけど、そんなでもなかった。が、結局セレステとジェシー、お互いに救いがあったかというと。。。よくわからない。
まずセレステが「結婚しうる(同じ家庭で生きていく)相手ではないから」という理由でジェシーとの婚姻関係を解消しようとした気持ちはとてもよくわかる。バリバリ働く女社長セレステに対し、売れない芸術家で生活のほぼ全てを経済的にセレステに頼っているジェシー。セレステはそれとなく「仕事はどうなの?」みたいなことを聞くも、ジェシーはのらりくらりとかわしてばかり。側から見ると明らかに夫婦であるべきではなさそうな2人。最初から「何があっても相手を一生養っていくんだ」という決意がないと、一方がもう一方に経済的に頼る構図での暮らしは厳しい。結論それでも一緒にいたい相手だった、ということに、もう引き返せないところでセレステが気づいてしまったのが切なかった。
一方ジェシーもワンナイトの相手との間に子供が出来、なし崩し的に再婚することになる。元々ジェシーのほうが未練たらたらだったのに、、、というかそもそも離婚の話が出てなかったらお前どうするつもりやったん、という(地味にこの手の映画やドラマ、ない気がする(不倫相手に孕ませてしまった系))。
後半、セレステはジェシーにやり直したいと伝えるも、それは叶わない。どんな選択をしても人生は不可逆である。過去には戻れないし、過去をなかったことにも出来ない。パストライブスを観た時と同じようなやるせなさに駆られた。
ちなみに全編通じて一番感じたことは
「めちゃくちゃ好きになれる人は、世の中そんなにたくさんいない、そんなに簡単に出会えない」ということ。ジェシーはヴェロニカのことをセレステ以上には好きになっていない(少なくとも作中では)。セレステも色々な人と出会うも、ジェシー以上には誰にも心惹かれてはいない。側から眺めていても、「ああこの2人、なんか合ってないな」と思わされる(演技力の賜物)。それだけ好きな人に出会えるというのは奇跡なのである。だからこそ出会えた時には絶対に大切にしなければならないと思わされる映画だった。
どうでもいいけどこの映画の名言
「少し横にならない?」