このレビューはネタバレを含みます
本当に不快な瞬間が次から次へとスクリーンに映し出されるとんでもなく醜悪な映画。これまでは自分もそれなりにジェームズ・ガンが撮る映画のファンだったつもりだけど、もう二度と彼の撮る映画は観たくないと思うに十二分に醜悪な瞬間の連続。すべてのMCU映画の中でも類を見ないほど大勢の命が理不尽な形で失われていく瞬間をスクリーンに切り取っていながら、彼らを救えなかった/残された/かろうじて救われた存在の物語を主人公化/英雄化するという、大方のフィクションが犯してしまいがちな間違い/罪についてあまりに無自覚。トキシックな社会や親や組織に不当に虐げられた存在についてきちんと描くつもりがあるのなら、ティム・バートン映画をすべて観直してから出直してこい。