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トゥルー・ロマンスのn0701のネタバレレビュー・内容・結末

トゥルー・ロマンス(1993年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

アニメイトみたいな店で働くオタクは誕生日に毎年映画を見に行く。

彼の上司は変な性癖の若者に男としての夢を与えるために、コールガールを呼ぶ。

コールガールは男がストリートファイターⅠ〜Ⅲを連続で見るマニアックな趣味に付き合うだけでなく、一夜を過ごす。

だが奇想天外なことにコールガールは男に恋をする。自分はまだ三人しか相手にしていないから純白だと言って、二人は結ばれる。

このなんの魅力もないモテない冴えない男を、女が一方的に愛するという設定がいかにも根暗男が考えそうなところだ。

男は仕事を無断で辞めた女に、自分が腰抜けじゃないところを証明しようと、コールガールの胴元の店に乗り込み、荷物を取り戻すと息巻く。

男が乗り込むと、そこには薬の売人が二人。彼らは他の売人から奪い取った薬を持っていた。銃を武装し、暴力で人を黙らせる売人相手に素手で挑むヒョロガキをバカにしてかかる二人。

しかし思いの外善戦し、なんと手持ちのリボルバーで二人を蜂の巣にする。いかにも、ひ弱なオタクが考えそうなストーリーだろう?

オタクとコールガールは麻薬を捌くため親友の元を訪れる。親友は友達を通じて、ある映画監督の元を訪れる。

そこで麻薬を捌ければハッピーだが、現実はそううまくはいかない。

マフィアが彼らを追い、オタクの父親の警官を殺し、コールガールもボコボコにする。

だが、マフィアは詰め切れない。

そんなときに、オタクの親友の友人がコカインでハイになっているときに警察にパクられ、司法取引によって映画監督を売れば釈放するという話に乗っかる。

オタクとコールガールは泥沼の結末に向かって走り出す。

監督との麻薬の取引現場に押し入る警察は監督のボディーガードと睨み合う。そこへオタクを追うマフィアが鉢合わせ、三竦みとなる。

運良くサイテーの現場からトイレに行って逃れていたオタクは自分の中の理想の自分と話し合う。なに、心配ないと。

だが、トイレに行っている数分の間に現場は修羅場となり、つまらないことをきっかけに銃の嵐となる。

流れ弾がソファに当たり、宙を舞う羽毛。
麻薬の袋にショットガンが命中し、部屋中を覆う白い煙。

そして互いに全滅するまで撃ちまくる最低の状態となる。

運悪く流れ弾が命中したオタクだが、特に致命的ではなく、コールガールも難を逃れたがその場のほぼ全員が、警察もマフィアも死に絶える大修羅場。

物語は二人の夫婦の愛の絆を確かめ合い終わりを迎える。

面白いのはブラッド・ピットがちくり役として出ていること、オタクの父親のシチリア人についての雑談、しょうもない映画談議だ。いかにもクエンティン・タランティーノ。

物語そのものは二の次だが、最後の銃撃戦は記憶に残る。映画らしい映画だ。
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