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トゥルー・ロマンスのdeenityのレビュー・感想・評価

トゥルー・ロマンス(1993年製作の映画)
3.0
単純なラブストーリーなんて想像すると必ず裏切られます。男女の逃避行でロマンチックなんて思うと違ったジャンルとしてドラマチックな気分を味わうことになります。そんな映画です(笑)
タイトル的にはベタベタなラブストーリーを想像したんですけどね。ほぼほぼ展開はサスペンス映画の追走劇と何ら変わりません。

それを固めるのは超大物俳優陣。クリスチャン・スレイター、パトリシア・アークエットに始まり、デニス・ホッパー、クリストファー・ウォーケン、ブラット・ピット、サミュエル・L・ジャクソンなど、贅沢な作品に仕上がっているのも魅力であります。

本作の軸にあるのは主役二人の運命的なまでの出会いから恋に落ちることでの気持ちの高まり。その純愛さが魅力であり、何と言っても見所は一晩を共に過ごした後のベランダでの2ショットであります。互いの本音を全てぶつけ合って気持ちを確かめ合うシーンは文字通りロマンスを感じるワンシーンでもあります。

なのに何故かその後は急展開。元彼を殺すは麻薬売買するは、なんでそんなロマンスのかけらもない方向に転がっていくんだ。
それでも繋がり続ける本当の愛が素晴らしい?いや、人を殺してまで最後自分たちが幸せなら本当の愛と言えるのだろうか。。ちょっとそれはいかがなものか。
確かに魅力的なシーンは結構あって、デニス・ホッパーとクリストファー・ウォーケンの対峙シーンは皆様が触れられていますね。個人的には冒頭のベランダも推したい所ですが、ラストの銃撃戦も捨てがたいですね。羽と麻薬によるロマンチックな銃撃戦は皮肉にも美しいと思えてしまいます。
ただ私には、兎にも角にも主役のクリスチャン・スレイターのキャラクターとしての魅力のなさが致命的な作品でもあるように思えてしょうがないのです。
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