あさのひかり

ミラダ 自由への闘いのあさのひかりのレビュー・感想・評価

ミラダ 自由への闘い(2017年製作の映画)
4.0
題名どおり自由を得るための闘いなのだけれど、こんなに過酷な闘いがあったとは。第二次大戦後のチェコスロバキアで、民主化や女性の権利保護のため活動するも、厳しい弾圧を受けたミラダ・ホラーコヴァーの生涯。

理想の未来を作るため、主義は曲げられない強い意志を持っていて、それはどんな大変な目にあっても変わることはなかった。 大戦中もナチスの弾圧を夫と共に受けているので、恐ろしさは知っているにも関わらず。

ただ、そのことは本人だけでなく、夫や娘にも犠牲を強いることになる。そのことへの負い目があったし、愛する者を苦しめることは、彼女にとって最も辛いこと、そういう風に描かれていた。

弾圧が強くなってからは、正直、胸糞な展開がずっと続くのだけど、ギリギリのところまで戦った勇気と芯の強さに胸が打たれた。そして、そんなギリギリの中で愛する娘に当てて書かれた手紙へは、それでも自分を貫いた人の真実があって胸に響く重みのある言葉だった。
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