あさのひかり

ビルド・ア・ガールのあさのひかりのレビュー・感想・評価

ビルド・ア・ガール(2019年製作の映画)
3.8
夢見がちな内向的な少女が、紆余曲折あって成長する話として面白かったし、そちらがメインなんだろうけど、私はなんだか、あの頃のイギリスの音楽シーンってこんな背景あったんだ、っていう方を興味深く見てしまった。

小さなエピソードだけど、音楽大好きだからこそ、流行に捕らわれずに自分の好みを貫くため音楽雑誌のライターの応募を妹に譲っちゃうハッピーマンデーズ好きのお兄ちゃんに共感しかなかった。誰かひとりにとっての人生を変えるようなミュージシャンは、確かに数えるほどしかいないだろうけど。それは人それぞれだから、大多数が認めるような一握りのミュージシャンしか価値がない、ってことは絶対ない!って思いながらこの映画を見てた。

主人公と世代近いと思うけど、これからは女性の時代!って持ち上げられて、でも男性社会の嫌な所に染まっちゃう感じがなんだか懐かしくてリアルだった。こんな感じ、ここまでじゃなくても社会出たての若い頃なんかあった気がする。

壁に貼った偉人たちか話し合って話しかけてくる演出大好き。環境に毒されて嫌な感じになっても、彼女の根っこはここにあるものね。彼女が諦めず本来の自分を自分の力で取り戻していく話としても好き。
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