とぽとぽ

アメリカン・ヴァルハラのとぽとぽのレビュー・感想・評価

アメリカン・ヴァルハラ(2017年製作の映画)
3.5
Here comes Post Pop Depression!
まさしく"ポップ後の落ち込み"…祭りのあとは気分が沈む!本作を見るということはそういうことだ

《日記》時間は残酷だ、俺は助手席に乗っているだけ --- 死んでから5分や1分を自分のものにできたとしても意味がない。だからその瞬間を楽しませないと、人生は一度きりだ。
"That would be wonderful."
イギーのアルバムに参加しないか?ガキの頃からの夢が叶ったら、ずっと憧れていた人と共作できたら?パンク・ゴッドとジョシュ・オム。ストゥージズとクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ。そこにクイーンズのディーン・ファーティタと、ジョシュがプロデューサーも務めたアクモンのマット・ヘルダースが参加。イギーの偉業に愛を示す。いかにこのスリリングなコラボレーションが実現してアルバム『Post Pop Depression』になっていくかという制作過程とその後発展したツアーの様子を垣間見ることができる。
"I'm terrified."
ジョシュのクイーンズとしてのツアー中に、ミュージシャンの心理を知り尽くしたレジェンドからFedExから自分の過去、現在、未来のことが赤裸々に綴られた袋いっぱいの紙の山が届いたらそりゃ興奮するだろうし、悩みもする。ベルリンでのボウイとのコラボレーションなど貴重な秘話が。酒とクスリがなければもっといい出来だった。
砂漠には失敗するチャンスがある。挑戦して失敗すればぶっ壊せばいい。レコーディングするのは日が暮れるまでだ、日中に活動することの素晴らしさに気付いた。ここはジョシュアツリー、音楽を作ることよりも夕陽を見ることのほうが大事なこと。そして夕食を食べることが何よりも大事、団結や連帯感を強める。レコーディング中ずっとカメラを持ち歩いていたというマットの撮ったであろう写真たちも。綱渡りで成功する秘訣は命綱を外すこと。ブレない生き方にとんでもない歌詞と歌唱に驚かされる、衰えることのないクリエイティビティ創作意欲。互いに抱く尊敬の念。約5年おきに自分の正直な気持ちを歌にしている。
そして、特別な親友の死…を知って直後の初リハーサル。エネルギーに満ちたものになった。イギーと演奏する以上の喜びはない。迎えた初ライブにはデイヴ・グロールやジョニー・デップの姿もある。毎晩客席に飛び込んでは、色んな人みんなを結びつける!あんなキレイな格好をするのは人生最後かもな(笑)?ロイヤル・アルバート・ホールなんて神聖な場所では歌うな?すごいことが起きる予感、起きている実感。スローモーションの夢があっという間に終わる…こんなライブはずっとやってない。ファック!ファック!ファック!サクセスする予感、分かるな?成功がやって来た。

♪Sunday
Where is my fucking valhalla? 気楽には暮らさない
Go fuck yourself!
ボウイが亡くなった
日常に戻るのは難しい

俺にあるのは名前だけだ
とぽとぽ

とぽとぽ