ムラサキシャチホコ

イングランド・イズ・マイン モリッシー, はじまりの物語のムラサキシャチホコのレビュー・感想・評価

3.5
the smithsはリアルタイムで流行ってたけどアルバム1枚しかちゃんと聞いてない。その中でもpaint a vulgar pictureって曲が一番好きだった。美しくて透明なセミアコギターのメロディに乗せたモリッシーの詩は音楽業界への痛烈な批判だったから少しビックリした覚えがある。
そして若かりし日のモリッシー。才能があって批評する能力があるけど、つまらない日常を送っている市井の人々をみんなアホだと思っているようないけ好かない野郎だった。いくらなんでもサボりすぎだし。それでも屋上の居場所を上司にチクったバカ女に負けるなって、知らない間に応援してたし、美大の彼女や、不本意にも裏切るような形になってしまったギターの彼も、モリッシーのことをずっと気にして応援してる。不思議な魅力がある人なんだろうな。
ライブシーンの多くにオールディーズの曲がかぶってるのは、あのセリフの暗示なのかな。レコード変えなくても好きなもんは好きでいいんだね。部屋のレコードをジョニーマーが褒めてくれて、そのあとのセミアコがすごく良かった。
頑張ってもできないってあるよなって共感したけど、何かする不安より何もしない安心を取ったみたいなこと言われて、自分の人生叱られてるみたいで、ちょっとへこんだ。
今更どうにもなんないことも多いけど、せめて意味なくぼやーとムダに過ごしてるような時間を少なくして楽しいことに当てるようちょっと頑張ってみようと見当違いな決意をしたのである。