ヒロ

マローボーン家の掟のヒロのネタバレレビュー・内容・結末

マローボーン家の掟(2017年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ホラー映画かと思ったが、ホラーではなかった。スリラーかな。悲劇と家族愛。 掟って、あれだね、鏡に布をかけるとか屋根裏に行かないとかじゃなくて、母親の最後の遺言、その時に誓った兄妹の約束だね。「どんな時でも僕らは一つだ」っていう。中々良い映画だったけど、1巡目だと分かり辛いかな。2巡でだいぶ咀嚼できる。
大概の人が兄の多重人格って話が結論と言っているけど、自分はそうなのかな?って疑問に感じて悶としてます。
映画の登場人物のセリフは重要で、特に大事なシーンのセリフは大事です。ここぞとばかりに、作り手が伝えたいセリフ、メッセージを登場人物に言わせるんです。
そういう事で、気になってるシーンがあります。
終盤化け物生命力の親父に、アリーが宣戦布告するんですけども、その時「私にもあの子達の声が聞こえた」「魂はロウソクの火みたいに消えてなくならない」と言うんですね。態々何かクライマックスのシーンで。
それは思い出って意味なんか?故人に対する人の思いが生者に残り続ける?分かりません。
誰かに死んだとしても悼まれない、生きてても愛されない、想われない父親は、アリーが言う所の「あんたこそが死んでるのよ!」(その生に意味がない)な訳なんでしょうか。
それともオカルト的な意味で魂はこの世に残っているって意味なんでしょうか。
ロウソクの様に消えないと言うなら。
つまりマローボーン家に居るのは、親父の幽霊ではなく、親父に殺された兄妹の幽霊が本当に居たのかな?と。
時折兄に取り憑いて肉体を借りて家族を演じ続けていたのかと。う〜ん…分からんです。アリーのセリフで何だか結論が分からなくなってしまいました。
多重人格でしたって結論のほうが説明は楽なんですが…。
↓以下は詳細すぎるネタバレ含む、脚本の時間配分ルールに則ったエピソード展開の確認なので、見る必要はありません。何分に何が起きる、という脚本のルールに則って、エピソードがちゃんと起きてるかの確認です。














前半は姉妹と母親がこの屋敷に引っ越してきた所から。何やら事情有りげな感じで始まる。この家族には秘密があるらしい…と視聴者にヒキを作っている。
取り敢えず新しい人生が始まると、晴れやかな感じ。海沿いの田舎町の夏のさわやかな景色で中々良い雰囲気を演出。ここで新しい友人のアリーにも会う。キラキラ楽しい始まり。
しかし病弱だった母親が程なくして病に倒れ亡くなってしまう。
死に際の遺言でジャックに「4人で一緒にこの家で暮らし続けなさい」「貴方が21歳になるまで私が死んだことは役所に届けないで。21歳になれば、貴方が3人の面倒を見る法的な権利を得られる。一家が離散しなくて済む。」そして手紙の遺言で、「どんな時も家族を守ってね」と言い遺した。 
兄妹は亡くなった母の前で「どんな時も僕らは一つだ」と誓い合う。
その後は、隠れるようにジャックが21歳になる迄生活する兄妹の様子になる
。しかしある日、謎の男が現れて、家の窓に銃弾を打ち込む。ジェーンは動転してジャックを呼ぶ。(ここまでで11分。多分プロローグやセットアップに当たる。既存の環境、既存の世界)
そしてタイトルが入る。
タイトル後はいきなり6カ月後となる。
母親が亡くなってからの兄妹の生活。
末っ子のサムが、庭で木苺を摘み戻ってくると、物音がして、そちらを見ると、布で隠されていた鏡が見えている。
サムは怯えて、上の兄妹に「物音がしてみたら、鏡のカバーが。隠さないとお化けに見られる!」とおびえる。
ビリーは怖がりだなとあしらい、ジェーンはお化けは何ヶ月も出てきてないから大丈夫となだめる。
弁護士のポーターが家を見張ってると、愚痴るビリー。それももうすぐの辛抱だよという。なぜならこの年の12月23日にジャックは21になる予定。ジャックの誕生日をしよう!クリスマスの頃には心配ごとは無くなると、兄妹。
食料の買い出しなどに、兄のジャックが町に出る。町の図書館でアリーと会うジャック。二人は恋人同士と視聴者に伝える。そこへ邪魔者が入ってくる。弁護士のトム・ポーターである。彼の態度からどうやらアリーに気があるらしい。
ジャックが居るのは気が付かずに口説く。気分が良くないので、ジャックは物音を立てる。トムはジャックの所に行き、相続の書類が整ったから移転料が必要だと言う。
母親のサインと明日取りに行くから移転料を小切手で200ドル用意しとくように、と言う。しかしそんなお金は兄妹には無かった…。
母親が手をつけるなと言っていたお金を、家の相続の手続きの為に、使用しなければならなくなる。
なんとかなると喜ぶジャック達。しかしジェーンは「それは血で汚れたお金よ、触るべきじゃない。呪われている」と言う。(ヒキ)
ジャックは「でもポーターが来るまでに用意しないと。ほかに方法がない」という。
そこから怪奇現象が起き始める。(この時に母親は既に亡くなっていた為、兄妹で母親のサインの偽造をする事にもなる。)25分辺り。第一ターニングポイント・新しい状況・環境に変わる

50分辺りで、兄妹に不協和音→ジャックが買い物だの外界との接触は行い、隠れるように人となるべく接触しないように生活していたため、次男のビリーに限界が来る。ジャックとビリーは口論になる。
ジェーンは「私には末っ子のサム、兄さんにはアリーが居るけど、ビリーには誰も居ない。ビリーの孤独を分かってあげて」と諭す。
兄妹が仲違いした事で、末っ子のサムが母親を恋しがり、ジャックの目を盗んで鍵を使い母親の部屋に入る。母親の私物を出す。新聞の切り抜きを見て、「お化け」と言う。暫くその部屋に居ると、オカルト的な事が起こる。(ガチホラー映画程は怖くない)サムは悲鳴をあげて、ジャックに助けを求める。うたた寝してしまったジャックが目を覚ますと、一階にビリーとジェーンが居る。サムが母親の部屋に入ってしまい、お化けを見たと。
あいつに違いない、と言う兄妹。
兄妹の会話から、どうも2階で父親を殺害?閉じ込めて殺した?でもこの時点で、あれ?母親と子供だけでこの家に越してこなかったっけ?と疑問を抱かせる。じゃあ誰?みたいな確信がない状態。(この辺りがMPと思われる。MPは危険度が上がるポイント、前半と後半でガラッと雰囲気が変わるポイントとされる)
一方でジャックの恋人のアリーに思いを寄せている弁護士トムは、決定的にアリーに振られる。ジャックが良いのか?と言い苦し紛れに、君は彼のことを何もしらない、彼の正体をと言って、ジャック一家のファイルを渡す。
中には「バンプトンの野獣捕まる」「強盗殺人犯フェアバーン、被害者は13人」「長男が父親を告発」「娘に性的虐待」「フェアバーン脱獄、妻子は行方不明」という新聞の切り抜きが入っている。
一方、長女のジェーンにも怪奇現象が起きる。
ポーターに文書偽造がバレる。
文書の不審な点に気がついた時に、ニューヨークの雇先から電話があり、弁護士では無く共同経営者にならないか?と言われる。株を1%買うチャンスをやると。それには1000ドル位かかると言われる。ポーターは、ただ弁護士として雇ってもらうのは駄目なのか?と聞くと、今我々に必要なのは、共同経営者で従業員では無いと言われる。考えさせて下さいと電話を切るがあまりの仕打ちに、怒りのあまり辺りの書類に当たる。
床に散らばった書類の中で、ジャック達一家の記事が目に入る「妻子に共謀の疑い」「消えた一万ポンド」ポーターは、兄妹を脅して、1000ドル調達しようと考える。
文書偽造の片棒を担がせた、お前は嘘つきだ、金で償えと。ジャックが無一文だと言うと、親父と強盗殺人で得た一万ポンド持ってるはずだ、それを出せ!俺はその金でこの田舎を出ていく!と脅される。
兄妹は、やむを得ず又呪われたお金に手を出すことになってしまう。
夜に煙突からビリーは屋根裏に侵入し、お金を取りに行くが何者かに襲われる。
翌日起きてきたジャックに、屋根裏で父親が生きてる。雨水や動物を食って生き延びてたんだ!と告げる。ジャックはショックと恐怖のあまり、痙攣発作を起こし倒れる。ジェーンはアリーに事情を話て助けてもらおうという。
アリーに助けを求めるために、日記としてジャックがまとめていた本を出会いの場所であるドクロ岩に隠しておく。モールス信号でその知らせを見たアリーは、翌日ドクロ岩に行く。(シーンはアリーが本を読む形で過去回想になる。この辺りが、第二ターニングポイント。更に新しい状況、世界になる。又は謎が解明されたり、問題が解決され始めるポイント)
一方、ポーターも金を取りにジャック達の家に来る。ジャックは、兄妹を屋根裏に隠し、自分一人で父親と方をつけようとしていた。
アリーが日記を読み続け、母親が病死した後に兄妹にあったことを視聴者も知る。
兄妹はジャックが崖から落とされ気絶している間に、煙突から侵入した父親に殺害されてしまう。(ジャックがたどり着いた時、中からは父親の「ジャック、ここを開けろ」「何をしたんだ?3人に何をした!?」という回想シーン→ポーターが屋根裏の壁を壊し、中に侵入し三人の遺体を発見するシーン→ジェーンが読んでいる日記のページ「屋根裏に行った時には手遅れだった」を順に写し、分かりやすくしている)
「守れなくてごめん、でも約束は守るよ」とジャックは自殺しようとする。
すると、母親が好きだった曲が秘密基地の方から聞こえだし、中を見ると眠る3人が居る。
「思い出は消える。ここが出発点だ。僕達の物語はここから始まる、線をこえたらか過去はついてこない」母がこの家に兄妹を連れてきた時の言葉を口にして、2回の部屋から、幻覚の兄妹の手を取り線を越えさせるジャック。
時間軸は戻り、アリーが日記を読んでいるシーンに。父親がでられなかった事、ジャックがドアに壁をし、ビリーが煙突を封じたと記されている。
アリーがジャックの元に駆けつける。
秘密基地から話し声がして、ジャックが一人でサムやビリージェーンになって話している。そこでジャックが多重人格になっていたと視聴者にも分かる。ビリーらしき人格が『ジャックが死のうとしたから僕たちが出てきた』ジェーンらしき人格が『ジャックを助けてあげて』とアリーに言う。(ジェーン、ビリー、サムは、父親が来た日に殺されてしまっていた。ジャックは兄妹を守れなかった自責の念から、兄妹の人格を自分の中に作ってしまっていた)
ジャックの人格が戻り、君が居るとサム達が消えてしまう、と言いアリーを遠ざける。行けと何度も強く言われ、アリーは立ち去ろうとするが、屋根裏から物音がし、トムが居たはずだ、と不審に思い屋根裏にゆく。(ジャックも物音に気がつく)
2階にアリーがゆくと、三人の遺体と、首を切られたサムが居る。誰に殺られたのかと聞くと、背後の扉が閉まる。閉じ込められていた父親は確かに生きていた。アリーが父親サイモンに襲われる。ジャック(ビリー)が銃で父親を射殺する。
アリーは、ジャックの治療を続けながらマローボーンの家に、ジャックと住み続ける。
トータル110分
第一ターニングP27.5
MP55分
第二ターニングP82.5(1時間22、3分)
終わり
ヒロ

ヒロ