イギリスの田舎の農場で…
祖母と身体が不自由な父と暮らすジョニー。
口うるさい父は、いつも眉をひそめ、しっかり仕事をしろ、と。
どんよりとした灰色の空の下、独りで仕事をする彼。
酒を飲んで気を紛らわす日々。。
彼の目は、いつも怒りを含んでいるように見えた。
祖母も父もジョニーも、にこりともしない。
厳しい自然のヨークシャー地方で。
手伝いとして雇われたルーマニア人のゲオルデ。
移民を嫌い、最初はひどい態度のジョニー。
でも、彼の仕事の手際の良さや優しさに、次第に心を開き…
初めて彼らがひとつになった時、
翌日は青空でひこうき雲がくっきりと現れた。
ジョニーの気持ちを映すような青空だった。
そしてぎこちない笑顔を見せるようになる。
不器用なジョニーの笑顔は、幸せそうだった。
それは、男女の恋となんら変わりはない、
今まで閉ざされたところで独りだった彼に、吹いた、暖かな風のよう。
「ブロークバックマウンテン」を思い出した。
今までジョニーは、人生をあきらめていたかもしれない。
ゲオルデとの出会いが彼を変えた。
いよいよ動けなくなった父を彼が入浴させてあげた時、父がポツリと言った。
「すまないな…」
今まで命令しかしなかった父が…初めて素直にお礼を言った…
泣きそうになったよ、
その後父の態度も柔らかになって。。
去ってしまったゲオルデを追って旅立つジョニー。
ラストは互いに気持ちをさらけ出しすふたり。
神の恵みの地(ゴッズ・オウン・カントリー)と呼ばれるこの地ですが…
前半は厳しい自然ばかりが際立っていました。ふたりが寄り添ってからは、光が当たっているように感じました。