ゴッズ・オウン・カントリーの作品情報・感想・評価・動画配信

「ゴッズ・オウン・カントリー」に投稿された感想・評価

イスケ

イスケの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「ブロークバック・マウンテン」でのふたりは一緒に農場の経営をすることは叶わなかった。
そのことに対する、時を超えたアンサーのような結末に思えて胸が熱かった…


ゲオルゲが持参してきた調味料を、無言でジョニーが要求するシーンが好き。
そこがすべての始まりなんだけど、いい年してこじらせてる感じねw

出産ができない同性愛カップルにおいて、子羊の出産や「死んだ羊の皮を刈り取って、子羊に着せてやる」という愛情の持ち方は、ある種、神聖にも見えました。

酪農とゲイの親和性の高さはそこなんでしょうね。ブロークバックと本作でそれを学びました。


ノマドランドでも映像を担当したジョシュア・ジェームズ・リチャーズが本作も担当しているそうで、映像の美しさはさすが。
この映画を好きになる人のほとんどは、この映像美に魅せられてると思うんですよね。

ドキュメンタリーのような映像。
そこに行間を読まないと理解できない機微や目線の演技が相まって、良い意味で映画っぽくない映画だと思いました。「ザ・ライダー」なんかも近い気がします。
皆さんが仰っているように「ブロークバック・マウンテン」を思わせる雰囲気。こちらは差別や暴力の要素が少なくて、心傷まずに観られたのが良かった。とても静かな作品で、セリフも音楽も本当に少ない。視線や触れ合いで心を通わせる感じが、ジョンの不器用さ、不安定さを絶妙に表現できていたと思う。その象徴が2回目の夜。ジョンはゆきずりのワンナイトスタンドばかりで、ちゃんとした恋愛経験はないのでは…と思わせる。初めて大切に愛されたと実感したのではないかと思った。浮気の流れは辛かったけど、最後は本当に良かったです。あとゲオルグが終始素敵でした。セーター可愛かったです。
krdb

krdbの感想・評価

3.8
プロットは至ってシンプルなんだけど、ヨークシャーの神々しい大自然の中、泥に塗れた土臭い感じと、あまり美しいとは言えない男二人が愛を交わす描写が割と生々しかった…。ジョニーのなんとも言えない、素直になれないでもめっちゃ好きなのが溢れている微妙な感じの表情がとてもいい。ど田舎なのでやはり古い価値観があり、ステレオタイプな差別的なシーンもあるかと思いきや、意外にも両親も受け入れてる雰囲気なのは逆に良かったかも。
Tち

Tちの感想・評価

-
ただただ素晴らしい
91分までの緊迫感とそれ以降の緩和は紛れもなくジョンの心境でしょう...人の状態にかかわらず生を淡々と営む動物たちとの対比がまた迫りくるものがあり、動物の雌雄と人間の雌雄を必ずしも同一視していない私の視線に気付いたのが思わぬ収穫だった。アンモナイトもしかとみねば

追記:そしてホモエロティックの描写が本当に絶妙...性の即時性と行為によって生まれる相互の感情とそれによる関係性の変化が今まで見たいわゆるゲイ映画の中で際立って目を見張るものがあった...いい意味でセックスのカットなしに作品が成り立たないの...
tori

toriの感想・評価

3.5
途中まで、主人公2人に魅力を感じられるのか不安を抱きながら鑑賞していたら、子羊を懐に入れて温めるゲオルゲに心持ってかれました…
2回くらい観て
1回めのときは、50席くらいのせまーいとこだったのだが、お隣にけっこうおgayの方ですね?なお方が座ってきてちょっと鑑賞前からアレぇ〜〜〜〜〜❓って思っていたら、鑑賞後に話しかけられてびっくりして一目散に逃げた❗️笑
2回めは日を選んでゆっくり観ました
また観ます
CELICO

CELICOの感想・評価

3.8
大自然のなかの閉塞感。厳しく美しい。

ジョニーを取り巻く環境が苦しくて、最後まで鑑賞できないかも…と思ったが、仕事と生活を丁寧に行うゲオルゲによって心がほどけていくジョニーの様子に気づけば魅了されていた。
Keishi

Keishiの感想・評価

3.5
嵐が丘然りヨークシャーはほんまに物語映えしますねえ

良いインディーズ映画に出てる俳優の演技力ってスターの演技力とは違った凄みがあって良い

このレビューはネタバレを含みます

※ウォッチャの過去のレビュー転載

ずーっと温めておいた「ゴッズ・オウン・カントリー」をやっと観た。
素晴らしかった…。
もう最初から最後まで、泣きっぱなしだった。
劇中の言葉を借りれば「美しくて寂しい」、でもそこに温かさが加わったお話だった。
ポスターヴィジュアルや冒頭の絶望的すぎる設定から、こんな甘いLoveな話だと予想できなかったので、最後まで観終わってホッとしたというか、良かった…っていう意味でも泣けた。

イギリス郊外の寂れた牧場を一人で切り盛りしなければならないジョニーには、病気で身体が不自由な父と年老いた祖母がいる。牧場の仕事も投げやりで、閉塞感で息が詰まりそうな田舎町で人生を送るため、毎晩飲めない酒で泥酔し、欲望の赴くままに行きずりの男性とその場限りのセックスをするしかないような日々だ。
そんな中、羊の出産で人手がいるため、季節労働者のルーマニア人ゲオルゲがやってくる。

このストーリーは一つの大きな構図からなっている。
寂れた牧場同様、全員の心が荒みきっている家族の元に、この荒んで頑なになったジョニーを始め、家族全員の心を溶かし、最終的に牧場があるこの土地を「ゴッズ・オウン・カントリー(神の恵みの地)」であることに気付かせてくれる存在としてゲオルゲが現れるという構図だ。

一家の大黒柱であるにも関わらず、呑んだくれで仕事にも真面目に取り組めないジョニー、それまで一家の大黒柱として懸命に牧場を運営してきたが、病気によりやむなく引退に近い形をとっている父、息子は身体が不自由なために頼るは孫しかいないがとにかく大黒柱としては頼りにならないことに気を揉んでいる祖母。
ちなみにジョニーの母は、彼が幼い頃に家を出ているようだ。
この3人家族は、ゲオルゲが現れるまで決して物理的に触れ合うことをしない。もちろん心理的にも。
ただ、3人の間に愛情がないわけではない気がした。愛情の示し方を知らないで過ごしてしまったため、あんなに荒んだ心で生活するはめになったのではないか。
特にジョニーは、ああ見えても他者に対して愛情を持っている描写がいくつかあった。
まずは冒頭の、出産間近の雌牛に対する優しさだ。結局自分の欲望を優先してしまったことから、生まれた子牛は死んでしまうのだが、出産直前の雌牛のお腹や背中をさすって、優しく声を掛けている。
また、あんなにけむたがっている父が倒れたときのジョンの様子からも、父への愛情は確実にあることが読み取れる。

しかし、後者はゲオルゲの影響が大きい。
ゲオルゲがジョンに触れ合うことの喜びと愛情の示し方を教えてからは、家族3人がそれぞれ触れ合う描写が出てくる。

ゲオルゲという人物について分かることは、ルーマニア人の季節労働者であり、過去に祖国で牧場を経営していたがつぶしてしまったこと、母親が英語教師をしていたことくらいしかない。
このようにゲオルゲの背景が分かる描写が少ないため、なぜジョニーを受け入れ、寄り添ったのかがあまり明確ではなかった。
予想できるのは、移民という立場によりそれまでの様々な経験上、人の優しさも醜さも知っていて、それを踏まえた上での優しく大きな心を持っている人物なのかもしれない。
また、自分(父?)の牧場を持っていたことや、母親が英語教師であったため英語も流暢に話せることなどから、人並みの生活を送り、教育も受けたと考えることもできる。
そして、あのような優しさでジョニーを包み込んで愛せるということは、自身も愛情を受けた経験があるはずである。
少なくともジョニーよりは恵まれた家庭に育ったのかもしれない。

次に、大きな構図の中の小さな構図として、まだ大人になりきれていない子供っぽいジョニーと、様々な経験により大人であるゲオルゲという二者の対比が挙げられる。

ジョニーの言動は終始子供っぽい。
最初、ルーマニア人のゲオルゲを「ジプシー」とバカにし続け、ついにはゲオルゲの堪忍袋の緒が切れ、押し倒されて脅されてしまう。
性衝動もなかなか抑えられず、盛りのついた犬のようである。
他者とのコミュニケーションの取り方も分からず、人の温もりも知らない孤独な子供っぽい青年は、ゲオルゲには保護すべき子羊のように写ったのかもしれない。

一方、ゲオルゲは牧場の仕事に懸命に取り組んでおり、この仕事が好きなようである。そして家畜たちへも愛情を注いでおり、家畜といえど命としてきちんと尊重している。
死んでしまった子羊の皮を剥ぎ、生き残った子羊に毛皮として着せたシーンでは、死んでしまった子羊の命を無駄にしない姿勢や、子羊を失った母親羊への思いやりを感じた。
また死産かと思われた子羊に懸命に対処して息を吹き返させるシーン、子羊を自分のコートの中に入れてかわいがるシーンなど、ゲオルゲの生き物への愛情を注ぐシーンが多く見られる。
これらのゲオルゲの様子を見ていたジョニーは次第に人への愛情の示し方を知ったのかもしれない。子羊に毛皮を着せるシーンでは、やっとジョニーとゲオルゲに笑顔が見え、2人の心の距離が縮まったことが分かる。

ちょっと分かりにくかった描写もあった。
ゲオルゲが食卓からチョコレート菓子のティムタムをくすねたり、朝食後の去り際にパンなどを持ち去ったりするシーンがあり、やたら食物を蓄えようとする彼の姿が気になった。
どんな意味があるのかな?
季節労働者の不安定な身分の強調⁇

また、ゲオルゲがインスタント食品に入れていた粉(調味料?)が分からなかった。あれが調味料だとすれば、その後のシーンでジョンに夕食を作り、調味料を足して味を調整してジョンに食べさせている描写があるため、ジョンの味覚のコントロール=ジョンを自分色に染めることの現れ、と解釈できるか。(ちょっとこじつけかも⁈)

また、星5つを付けられなかった理由は、バーでのゲオルゲに対する地域の人々の反応と、ラストの整合性がないからだ。
個人的にはあのラストは本当にうれしくて、幸せな気持ちで映画を観終わったんだけど、現実はそう甘くないんじゃないかな…ていう、やたら冷めた目で観てる自分がいた。
だってだいたい同性愛の要素がある映画ってハッピーエンドじゃないから。
すごく、良かったねジョニー‼︎て思った反面、戸惑いもあったのかもしれない。

でも、とにかく美しいイギリスの田舎の自然描写と少ない台詞、ジョニーとゲオルゲの目と目を合わせて心を通わせていく様子など、「美しくて寂しい」、でも温かさのある素敵な作品だった。

ジョニーが、ゲオルゲと一緒ならこの地で生きていきたいと思えたように、たった1人の人との出会いで、こんなに人生が変わることもある。
アンモナイトの目覚めを観た後に観ました

こっちを先に観たら、アンモナイトの目覚め終わりの感じ方が違うなと思いました。

とてもよかったです。
いいと聞いていたので、映画館で観られてよかったです。

主人公若く、全てを背負っていてキツいなと思いましたが、心の支えとなる素敵な人が出来て良かった。。
でも、クズな行動でぶち壊す。

元々クズだったのがいい方向にいくの観ていてよかった。

言葉がなくとも幸せが伝わる映画。

動物が可愛くて、牧場に行きたくなります。

最後は本当によかった。
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