かこゆ

ミレニアム・マンボのかこゆのレビュー・感想・評価

ミレニアム・マンボ(2001年製作の映画)
4.0
クラブやヴィッキーが暮らす部屋など室内に人が密集している薄暗いシーンが多くヴィッキーの境遇も閉塞感に満ちているので、観ているこちらも実際息苦しくなって何度も深呼吸をした。
一転夕張の雪のなか戯れるシーンは自分も地上に出られたような感じがして貴重な息継ぎの時間だった。開放感を追体験できた。
全体に退廃的なムードが充満しているが、同時にエネルギーもあふれていてゆらゆらと浮遊感のある映像とモノローグの10年後のヴィッキーが語りかける声音はかなり明るいのでそれが救いだった。
近未来の10年後から語る現在(2001)という設定がおもしろくて公開当時に観ていたらどんな気持ちになったのだろうかと想像していた

記憶の断片を積み重ねたような、
劇的な展開がなくとも映画たらしめるものはなんなのか
かこゆ

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