ロアー

チャイルド・イン・タイムのロアーのレビュー・感想・評価

チャイルド・イン・タイム(2017年製作の映画)
3.6
ベネが目の前で「ドクター・ストレンジ」ヒーローショーをやってくれて、「手印組んだ時の指がめちゃ長くて素敵だった!1mくらいあったんじゃない?」って興奮気味に感想述べる夢を見たので観ました。

実はこれ、インポートDVDをすでに持ってます。
日本で全然DVD化されないから焦れて買ったんですけど、買い満放置してるうちに去年日本でも発売しました。忘れた頃に日本へやってくる海外DVDあるある(ワンコイン以下で新品買ったので文句は言わないけど)

"目を離した隙に子どもがいなくなる"という最悪の設定から、もっと激しく感情が揺れ動く話かと思っていたら想像よりずっと静かなお話でした。
失踪直後のお話ではなくてしばらく経ち、ぽっかり心に穴が開いたまま娘の姿を街中に探しながら生きているベネ。

よく似た子を見つけて学校までついていってしまう → 警察を呼ばれて騒ぎになり「あれは僕の子なんだ!」と叫びながら連行される。

という、よくありそうな展開もこの映画ではそうはならず。

映画ってどうしてもドラマチックになるし、映画なのでドラマチックでいいと思うんですけど現実ってきっともっとこんな感じ。
一時的にかっとしたとしても考え直して関係を修復したり、酷い言い方をしてしまったんじゃと後々悩んだり、そんな描写が感情むき出しのドラマチック展開にならず、静かに展開するのも逆に印象的な映画でした。

親友のチャーリーの話が絡んできたのは想定外でびっくりしたけど、原作が「Jの悲劇(『愛の続き』)」などのイアン・マキューアンだと後から知って何となく納得です。
リアルなんだけどスピリチュアルな面もあって、何だかフランス映画みたいな雰囲気でした。
「恋しがるんじゃなくて愛し続けて」って台詞が心に残る。

ストーリー抜きで、パパベネの姿も良かったです。
結婚したと思ったらあっと言う間に2児のパパになってたベネなので、私生活を想像しながら観ました。私服のシーンもあるとのことですが、ベネ自ら製作総指揮の作品であることと結婚後のベネの服装だからできたことですね(その前の私服だとほら、アレだから、ね)
ロアー

ロアー