このレビューはネタバレを含みます
2012年杉井ギザブロー版。猫の擬人化に加え、“ペンネン”に出てくるキャラクターも登場させるのでファンタジー色が強い。ファンタジー過ぎて“イーハトーブ”という土地がもつ岩手との紐帯が薄れ、また農業技師である宮沢賢治を反映する主人公の地味さ、土地に根付き地道な研究と実践に努める技師の泥臭さが見えづらい。その点でやや好みから外れるのだけど、猫は猫の魅力がある。また後半におけるブドリの静の演技は1994年版よりこちらがいい(猫なのに)。というのも、覚悟や熱情といった感情は普通こんな風に表立って見えず秘めたものだろうし、また突然沸くものではなく静かに形成されていくものだろうから。(1994年版の演出に比べちゃうと…)
漫画飯の家族で食べるトマトスープとパンが美味そう。