原作を読み返してから鑑賞。
原作では怒涛のモノローグで文章化されていた寧子の精神状態を、表情や仕草や声色といった外的なモーションだけで表現した趣里の演技力が見事。特に屋上のシーンは、台詞はほぼ原作のままだけど原作を読んだ時以上に圧倒される迫力があった。
寧子はもっと整った美人のイメージだったので最初は違和感があったけど、趣里のぱっと見美人ではないが時折ハッとするくらい美しく見えるあの個性的な顔立ちが、寧子という人間の不安定さと良くマッチしていた。
コンパで「美人」と称されたり職場の男に言い寄られたりといった原作の描写が映画ではまるごとカットされていたので、おそらく意図して美人設定は省いたのだと思う。
菅田将暉は『溺れるナイフ』の眩しいくらいの美少年から今作の津奈木のような冴えない男の役までちゃんとハマるから凄い。
ただ、イケメンオーラはちゃんと隠せてもどうしてもあの美しすぎる鼻梁に目が行ってしまい、菅田将暉がアップになる度に鼻筋キレイだなあ…と思ってしまったのがノイズになった。(個人的に菅田将暉の顔がタイプすぎるだけ)
