hajime363

生きてるだけで、愛。のhajime363のレビュー・感想・評価

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)
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仮に、寧子のような知人がいたら認知療法とか、論理療法といったカウンセリングをオススメします、というのは野暮で。

感情むき出しで、不器用(自意識はありつつもコントロール出来ないという意味で)だからこそ見える景色(美しさ)もあるというか…

トムフォード監督の「シングルマン」における『人生が価値を得るのは他者との真の関係を築けた時』という台詞が思い出されました。
真の関係の必要条件には感情というか、直観というか…理屈じゃない感覚を共有できることが含まれているのかも知れないな、と思いました。劇中の寧子は極端ですけど笑

ウォシュレットのシーン好きです。
「酔ってんのか?」という無味無臭の返答なんて求めてない訳で…
でも、その返答は優しさであり人間関係を円滑にするコミュニケーションのテクニックな訳で…
と言うのを理解しつつ我慢できない寧子、それは生きるの大変だわ。
寧子が津奈木に求めているもの(構造)を抽象化することで自覚する良いシーン。会話の内容も好き。

物語にとって象徴的なシーンの美しさ、特に光の感じ(使い方?)が良かったです。
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