なおこ

生きてるだけで、愛。のなおこのレビュー・感想・評価

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)
3.9
鬱と過眠症を抱えた主人公。生き辛い世界。生きてるだけで疲れる。生きてるだけでしんどい。作品そのものが包帯でぐるぐる巻きにされて血が滲んでるくらいに傷ついていた。
体当たりの趣里の演技と、どこかもう大人しく壊れている菅田将暉。彼女が恋人に向けた「私と別れられていいな。私は私と別れられない」がきっと全て。この映画の全て。観て救われる作品じゃない。ただ彼らが生きていることを投げつけられる映画だった。
今がダメでも、ずっとダメな奴なんていないと優しい人は言うけれど。これはダメの真っ只中にいる人間の話。だから、生きてるだけで、愛。菅田くんの何も無さそうで、ふとした眼差しの強さとか、なんてこと無いようにおっっもい言葉を話せる感じとか、口調の柔らかさとか、壊れかけてる青年とか、凄く好きです。菅田将暉が出ているだけで、その作品を見ようと思える俳優さん。
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