Angeprunelle

父、帰るのAngeprunelleのネタバレレビュー・内容・結末

父、帰る(2003年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

⑧年ぶりくらいの再鑑賞✧

終始静かで淡々と描かれているのに
とてもエッジの効いたロックな作品♡

自然の囁きにちょっぴり色をつける程度の音楽♬
カメラワークも極々シンプル✧
その生っぽい演出と映像のおかげで
3人の心を自然と見つめ
感じることができます♬

父の素性はほとんど明かされず
ほんの少しの描写で推測は出来るものの
真実は謎のまま・・・

静寂と緊張感に包まれた食卓を囲むシーンから
3人の交流は再スタートする。
再スタートと言っても過去の父との記憶は
ほとんどない。

表面的には父は厳格で高圧的。
兄は素直で穏やかで
弟はとにかく頑固者。

文字に表すと確かに異なっているし
全く違う雰囲気を持った3人だけれど
どこかよく似ている✧

険悪ながら同じ時間を過ごしいく中で
それぞれに変化する一瞬が
切り取られています✧

父の背中から知らぬ間に
育んでいた強さ。
気付いてしまった父の愛。

恥ずかしくて秘めていた思いが
顔を出す瞬間はたまらない。

「パパー!!!!」

結局は父の素性などどうでもいい。

どんな親だったとしても
子供はただただ純粋に
親の愛を求めている♡

・・・それがどんな形をしていても。

まさに人間は「表裏一体✧」
表面だけじゃ分からない。

弱気な兄が強い瞬間。
強気な弟が怯える瞬間。
冷たいようで愛情深かったり・・・

人って全然違うように見えるけれど
蓋を開けてしまえば
大して変わらないのかもしれない。

みんな仮面を着けていて
その人の本当の気持ちが表に顔を出すのは
きっと人生の中のほんの一瞬。

だからこの一瞬に心が揺さぶられる♡

そしてきっと多くの親子は
起承転結の「結」を共に経験出来ない。
ずーっと一緒だと思っている親も
突如として居なくなってしまう。

まさに「後悔」は後に悔いることで
後悔しない人などほとんど居ない。

後悔を糧にした
その後の自分の生き様こそが
「結」なのかもしれない✧

父は土に還り
父は子供の心に帰った。

一般向けではないですが
キリストと上手く絡めた興味深い作品です♡
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